ショウサイフグ(湾フグ)船 入門
この記事は、東京湾で専門的に狙う「ショウサイフグ(湾フグ)船」の入門ガイドです。umisenが集計した直近30日の港別釣果を交えながら、湾フグならではの「カットウ釣り」を解説します。
30秒で結論を言うと、初回は竿を買わずレンタルを予約し、船宿指定の仕掛けとオモリを確認するのが先です。 港はランキングの1位だけで決めず、直近数日の釣果、募集日、アクセスを比較します。フグは自己判断でさばかず、持ち帰りと処理方法を予約時に必ず確認してください。
ショウサイフグは、食用フグの代表格として親しまれる小型のフグです。警戒心が強く口も小さいため、実は船釣りの中でもやや玄人向けとされるジャンル。しかしその分、繊細なアタリを読み解いて掛けたときの満足感は格別で、持ち帰れば食卓でも話題になる一杯になります。仕掛けの見た目はシンプルですが、釣り方は他の船釣りとまったく違う独特な仕組みを持っており、知れば知るほど奥が深い釣りです。
この記事では、「湾フグ船に挑戦してみたい」という方に向けて、釣れている港・1日の釣果の目安・カットウ釣りの仕組み・仕掛けと道具・料金・シーズン・持ち帰りの注意点までをまとめました。読み終えるころには、フグ特有の注意点まで理解したうえで予約に進めるはずです。
なお、東京湾のショウサイフグ船は通年募集されることがありますが、出船状況は船宿と時期で変わります。予約前には、この記事の直近30日データに加えて各船宿の最新釣果と募集予定を確認してください。

ショウサイフグ(湾フグ)船とはどんな釣り?
ショウサイフグ(湾フグ)船は、東京湾でショウサイフグを専門に狙う乗合船メニューです。エサはアオヤギなどが使われますが、種類や付け方は船宿指定を優先します。専用の「カットウ仕掛け」で小さな変化を捉え、一匹ずつ掛けていく釣りです。
フグは警戒心が強く、エサをかじってはすぐに離す独特の食い方をするため、アタリの出方が他の魚とは大きく異なります。この特性に対応するために生まれたのが、次の章で紹介する「カットウ釣り」という専用の釣法です。仕組みを知らずに挑むと苦戦しがちですが、コツさえつかめば初挑戦でも十分に型を見ることができます。
他の五目釣りと違い、ショウサイフグ船は「初心者向け」と一括りにされにくいジャンルでもあります。これはカットウ釣り特有のアワセの感覚を覚える必要があるためで、船宿によっては「船釣り経験者向け」と案内していることもあります。とはいえ、仕組みさえ理解して臨めば決して手が届かない釣りではありません。むしろ「独特な釣り方を覚える楽しさ」自体が、この釣りの大きな魅力のひとつです。初めての方は、乗船前にこの記事でカットウ釣りの仕組みを一通り頭に入れておくだけで、当日の飲み込みの早さがまったく変わってきます。
フグには毒がある。持ち帰りは船宿のルールを必ず確認
ショウサイフグを含むフグ類は、種類や部位によって強い毒(テトロドトキシン)を持ちます。フグの取り扱いには自治体ごとの条例や資格・認証制度があり、素人が自宅で内臓を除去して食べるのは大変危険です。多くの湾フグ船では、持ち帰りに関するルール(処理をしてくれる、持ち帰り不可、提携店を案内する等)を船宿ごとに定めています。予約時に持ち帰りと調理の可否を必ず確認し、船宿やスタッフの指示に従うことが、この釣りを安全に楽しむ大前提です。umisenでは釣果の実数は紹介しますが、自己判断での調理は推奨しません。

【データ】直近30日のショウサイフグ 釣果実数(umisen調べ)
最終更新:2026-09-12/関東の船宿サイトを毎日自動収集・集計
直近30日(2026-09-12時点)で、ショウサイフグ(湾フグ)の釣果を報告した船宿は11軒、対象の港は9港。各船宿が公表した1日の最大匹数(78件の「船宿×日」データ)を集計すると、1隻・1日あたりの釣果は次のような目安になります。
- 平均:1日あたり 12匹
- 上位10%ライン(上位1割の船はこれ以上):20匹
- 最大:44匹
平均12匹に対して上位10%は20匹、最大は44匹です。ここから分かるのは「最大値を目標にすべき」ではなく、同じ30日でも日による振れ幅が大きいこと。初回は平均値を予約判断の目安にし、直前の釣果が続いている船宿を選ぶのが現実的です。数値は船宿の公表値を「船宿×日」で重複排除した集計で、天候・潮・釣り座・経験によって変動し、釣果を保証するものではありません。

【データ】よく釣れている港ランキング(直近30日)
同じ期間で、ショウサイフグの釣果報告が多かった港は次のとおりです。報告件数は釣れた匹数ではなく掲載された釣果記録の件数で、出船頻度の影響も受けます。港名をタップすると、その港の船宿一覧と最新釣果を見られます。
データ上のトップは金沢八景で、全9港の釣果報告のうち約24.4%を占めています。ただし今回は2位の江戸川・荒川も28件で、トップの29件と僅差です。「1港だけが正解」ではなく、アクセス、募集日、直近数日の継続性まで比べるのが今回のデータから導ける選び方です。

気になる港は決まりましたか? 各港ページでは、船宿ごとの最新釣果・料金・予約先を比較できます。まずは ショウサイフグ・湾フグ船を出している船を探す や 港から船宿を探す からチェックしてみましょう。
より詳しいメニュー別の解説は ショウサイフグ・湾フグ船のメニューページ でも確認できます。
umisenの釣果データの見方・活用法
「釣れている港」「1日の釣果の目安」を実数で知ってから予約することには、初心者ほど大きなメリットがあります。一般的な入門記事は「フグ釣りは奥が深い釣りです」と書いて終わりがちですが、それだけでは「じゃあ今、どこで、どれくらい?」が分かりません。umisenは関東の船宿サイトを毎日巡回して釣果を集計しているので、直近の実績が良い港・船宿を根拠を持って選べます。とくに湾フグは実績が特定の港に集中しやすいジャンルなので、釣行直前に港ページの最新釣果を見て、専門船が揃うエリアを狙うのが釣果を伸ばすコツです。なお数値は船宿の公表値の集計であり、釣果を保証するものではありませんが、傾向をつかむ材料としては十分に役立ちます。
混じる魚種にも要注意:トラフグ・サバフグ
「湾フグ」と呼ばれる釣りですが、本命のショウサイフグ以外にも別のフグが混じることがあります。直近30日のumisenデータでは、次のような報告数(のべ件数)でした。
- ショウサイフグ:82件(本命・数の上でも主役)
- トラフグ:13件(高級魚として知られる大型フグ。混じると当たりの日)
- サバフグ:12件(小型で見た目がショウサイフグに似るが要注意)
とくにサバフグは要注意です。ショウサイフグと見た目が紛らわしいうえに、種類によっては毒性の強さや持ち帰りの可否に関する扱いがショウサイフグと異なる場合があります。自己判断で「似ているから同じ」と扱うのはとても危険で、船宿のスタッフに種類を確認してもらうのが鉄則です。トラフグが混じった日は「当たり日」とされることが多く、サイズも引きも一段上のうれしいゲストといえます。いずれにしても、魚種の見極めと持ち帰りの可否判断は必ず船宿・スタッフに委ねるようにしましょう。
カットウ釣りとは?「食わせて掛ける」だけじゃない独特な仕組み
ここが、湾フグ釣りが「話したくなる」独特なポイントです。一般的なエサ釣りは、魚がエサを飲み込んだタイミングで竿を立てて掛けますが、フグはエサをかじって離すだけで、なかなか針を丸呑みしてくれません。この習性に対応するために生まれたのが「カットウ釣り」です。
カットウ仕掛けは、エサを付ける針の下に、掛けるためのカットウ針を配置するのが基本です。フグがエサをついばんだときの小さな変化を竿先で捉え、釣り人が竿を上げてカットウ針を掛けます。仕掛けが自動で開くのではなく、誘い、待ち、アワセを釣り人が組み立てる釣りです。なお、仕掛け形状や針数、オモリ号数、釣り方の細部は地域や船宿で異なるため、船上では船長の説明を優先してください。
竿先に出る変化は、はっきりした震えだけでなく、重さや戻り方の違和感として現れることもあります。決めた間隔で誘ってゼロテンション付近を作り、変化があれば竿を上げて掛ける。この反復とタイミングの見極めが、湾フグ釣りの醍醐味です。

仕掛けと釣り方の基本
カットウ釣りの基本の流れは次のとおりです。
- 仕掛けを底まで下ろし、軽く底を切る。
- 竿先を小刻みに揺すり、アオヤギのエサをフグにアピールする。
- 「コツコツ」「モゾモゾ」という前アタリを感じ取る。
- 前アタリや重さの変化を感じたら、船長に教わった幅と速さで竿を上げて掛ける。
- 掛かった感触があれば、一定速度で巻き上げる。
仕掛けの構成は次のとおりです(下図の番号①〜⑥と対応)。
- 竿先(湾フグ用など、船宿の釣法に合う先調子竿)
- 道糸(PE0.6〜1号)
- エサ針とエサ(アオヤギなど、船宿指定)
- オモリ(号数は船宿指定)
- ハリス
- カットウ針(エサの下に配置)

アワセのタイミングとコツ
カットウ釣り最大のポイントは、大きな食い込みだけを待たず、竿先や重さの小さな変化を捉えることです。ただし、アワセの幅と速さは仕掛けや船宿の流し方で異なります。「違和感があれば必ず大きく鋭く」と決めつけず、最初の投入前に船長の実演を見て合わせてください。 最初は空振りが続いても、誘いからアワセまでの間隔を一定にすると、自分が掛けられた動作を再現しやすくなります。
慣れないうちは、隣で釣っているベテランのアワセのタイミングを観察するのも上達の近道です。カットウ釣りは船宿ごと・釣り人ごとにアワセのリズムに個性が出やすい釣りで、「思ったより早いタイミングで掛けている」と感じることが多いはず。最初の数流しは空振り前提で、竿先の感覚とアワセのタイミングを合わせる練習に充てるつもりで臨むと、後半で一気に釣果が伸びやすくなります。
よくあるトラブルと対処
- エサだけ取られる:アワセの間隔やエサ付けが合っていない可能性がある。自己流で強く振り続けず、船長に動作を見てもらう。
- 仕掛けが絡む:底を切ってからの誘いを心がけ、周囲と投入・回収のタイミングを合わせる。
- 根掛かりでオモリを失う:着底後は素早く底を切り、底べったりの時間を短くする。
カットウ竿・仕掛けの選び方
カットウ釣りは、繊細な前アタリを感じ取るための専用竿と専用仕掛けがあるかどうかで釣果が大きく変わるジャンルです。竿先が柔らかすぎても硬すぎてもアタリを取りにくく、汎用の竿での代用には限界があります。近所の量販店では専用竿・専用仕掛けの品揃えが薄いことも多く、種類を比較しながらオンラインで選ぶメリットが大きい分野でもあります。
繰り返し通う人の主役候補は湾フグ専用竿です。穂先の変化を見やすい一方、初回から買うと船宿の釣法と合わない可能性があるため、まずレンタルで調子を確かめてください。






